かえうたうたうひと

YouTube で酒井素樹さんのビデオを観た。替え歌で人を笑わせる。これは間違いなく「お笑い」のカテゴリーに含まれるのだろうが、寄せられたコメントの多くが酒井さんへの同情と応援、そして力をくれたことへの感謝の気持ちを綴っていた。いわゆる自虐ネタであるが、酒井さんは自ら道化を演じ、悲しい日本の現実を訴えているように見えた。「明日は我が身」と感じた人も多いのではないだろうか。今仮に普通にご飯が食べられていても、それはたまたま運が良かったからであって、状況は明日にでも変わるかもしれない。

人間のエゴが作った社会では必ず「成功」の背後に「失敗」があり、「勝者」の影にそれ以上の数の「敗者」(というラベルもまたエゴが作り上げたのだけれど)が存在している。人類の多くがこのエゴに気づかない限り世界は変わらない。欲望が産んだ資本主義経済はいつまでも太り続けることはできないので、必ず自己崩壊する日がやってくる。その時こそ人がエゴに気づく最大のチャンスだと思うのだが、それまでこの惑星が寛容であり続けるかどうかわからない。そうでない場合は今のこの文明の滅亡を意味する。それは人類の総体的な霊性の進化レベルとも関連している。

この世界に生まれたおびただしい数の魂がエゴの犠牲になって来た。その度に魂はわずかにまなび、そのまなびが周囲の環境にもわずかづつ「まなび」を伝えて来た。酒井さんもそんな魂の一つである。彼の唄う「やはり酒井の命はゴミより軽い」というフレーズには思わず涙が出たが、その生命が実は大いなる存在(あるいは神あるいは宇宙の叡智)に繋がっているという事実に、誰もが気づく時が早く来て欲しいと願うばかりである。

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